先天性障害により発生した損害をペットショップに対して請求する事案
Kさんは、札幌に住むご夫婦です。 令和6年6月9日、ミニチュアシュナウザーの男の子をペットショップでお迎えし、「ずんだ」と名づけました。 Kさんのおうちにはすでに先住犬(ポメチワ)の「こくとう」がおり、ずんだは、Kさんの4人目の家族として迎えられました。
ずんだは、お迎え当初からこくとうに犬見知りすることもなく、しつこく絡んでこくとうに威嚇されるくらい元気いっぱいでした。そんな姿を見て、Kさんも、幸せな2匹の日常を発信したいと思い、YouTubeの投稿も始めました。
しかし、お迎えから1か月ほど経った頃、ずんだの様子が一変しました。ふらつき、壁にぶつかるようになったのです。 令和6年8月18日、心配になったKさんが夜間病院へ駆け込んだところ、獣医師からは、先天性の水頭症の疑いがあると言われ、MRIのある病院で再度検査をするよう促されました。この時ずんだは、半身麻痺、ふらつき、旋回運動、左目失明、斜視といった、水頭症の症状とされるものほぼ全てを発症している状態でした。
翌日の検査の結果、ずんだは、先天性の水頭症と診断されました。獣医師からは「いつどうなってもおかしくない状況」と言われ、手術が決定しました。 令和6年8月27日、ずんだは水頭症の手術を受けました。術後6日間の入院を経て、ずんだは現在、日常生活を送れるほどには回復しておりますが、水頭症により失った左目の視力は回復せず、現在においても失明したままの状態です。 結局、ずんだの水頭症の治療には、約70万円の費用がかかりました。
ずんだが、先天性の水頭症と判明した時から、Kさんは、ペットショップから何らかの保証があるのではないかと契約書を確認しました。 すると、契約書には「先天性障害につきましては保証対象外とさせていただきます」との文言。これが適用されるなら、ずんだの水頭症は保証の対象外であるということです。
Kさんはそれでも諦めきれず、ペットショップに問い合わせ、交渉しました。しかし、ペットショップ側からは、「生体の交換」「生体価格の半額の返金」が解決案として提示されたのみで、治療費全額の保証には到底応じてもらえませんでした。 「生体価格の半額」は、治療費70万円の4分の1にも満たない金額で、保証金額としては満足できるものではありません。また、大事な家族として迎え入れたずんだを「交換」することなどできるわけがありません。治療費が保証されるかどうかも分からず不安なまま、Kさんは、ずんだに「生きてほしい」という思いだけで、ずんだの手術を決意しました。
手術が終了した現在においても、ずんだの片目は失明したままですが、障害の残ったずんだでも、家族であることに変わりなく、Kさんご夫婦としても、当たり前にこれからも一緒に生きていきたいと思っています。 我々は、そんなKさんご夫婦の思いを受け、ペットショップには、せめて治療費分の保証をしていただき、Kさんご家族の暮らしを後押ししたいという思いで、今回、ペットショップとの交渉をお受けすることとなりました。
